文章力をあげる


文章力をあげるには、どうすればよいか?

とりあえず、書いてみるとよい、という人がいる。

書いてみると、自分の文章の癖がわかるだろう。

本質論として、語彙数を増やすという人もいる。

しかし、一朝一夕に語彙数は増えない。

ビジネスにはスピードが必要である。

理論を知り練習すればだれでも文章力は向上する。

1日5分でよいから、自分のメールを他の人からもらったと仮定して、査読・校正してみる。

1週間から2週間で、変化がみられるだろう。

短い文章にたくさん触れて、査読・校正をすれば、3か月から半年ほどで、あなたの文章力はグググッと上がる。

そして、一生もののスキルになる。

 

忙しいから、は理由にならない

1日5分のトレーニングを、「忙しい」からと言い訳をする。

たった5分である。

8時間勤務であれば、96回もチャンスがある。

チャンスは、前髪しか生えていないという。

96回もチャンスが訪れるのだから、前髪をしっかりつかもう。

忙しいから、は理由にならない。

 

“感じ” で言葉を使わない

「こんな感じがするから」で言葉を使わないようにしよう。

「感じ」は人により異なる。あなたの「感じ」が読み手の「感じ」と一緒であるとはかぎらない。

たとえば、「ひたむき」と「熱心」どちらも物事に熱中しているさまを表現する言葉である。

しかし、「ひたむき」には、「一途なさま」という意味が含まれる。「一途」とは、「一つのことに向かいあい、ほかを顧みないこと」である(広辞苑第7版)

「熱心」とは「一つの物事に深く打ちこむこと」とある。

社内や知人の仕事ぶりを表現するときは、「熱心」を使うようにしよう。

このように、言葉の意味範囲やどういうときに使うのかという事例をよく理解したうえで言葉を使おう。

 

理論を学ぶのが習得への早道

自己流では、壁をぶち破れない。

理論=なぜそう書かなくてはならないのか を学び、実践する。

自分が書いた文章を振り返って確認する。

日々の小さな積み重ねが大きな成果を生む。

 

ITの力を借りる

ワープロソフトには、強力な力を貸してくれる校正機能が備わっている。

校正機能を強化しよう。

アウトラインプロセッサの機能を搭載したMicrosoft WordやPowerPointには、

文書を構造化して作成する機能が搭載されている。

モレなくダブリのない、訴求力があるドキュメントを素早く作成できる。

美しくメンテナンスしやすい文書を作成しよう。

 

構造化した文書はアウトラインとスタイルで

校正機能を強化する

本則だけを表示する

仕事に合わせた自分のリボンを作る&パワーポイントでしかできない図形の加工

クイックアクセスツールバーを自分仕様にする

自分仕様のリボンを作る

目次の作成と更新(「構造化した文書はアウトラインとスタイルで」と合わせてみると効果的)

パスワードを知りたい方はお問い合わせフォームから

 


敬語は動画を活用 新入社員も、いまさら人にきけない先輩も 文化庁敬語おもしろ相談室

敬語の使い方を間違っていてもお客様は指摘してくれません。


   ムカッときた、もう疲れ果てた 自信がない

どうすればいいの?お悩み相談の一部を紹介する。

あなたが悩んでいることはきっとほかの人も同じように悩んでいる。

リーダーのお悩み

簡単に校正できませんか?

 

わが社では、入社2年目に論文作成を導入しています。その論文のチェックで非常に時間がかかり困っています。

助詞の用法間違いや表記の揺らぎなどがあり、再提出してもらったりと大変手間がかかります。

「の」の連続使用など基本的な校正は各自が提出前にしてもらうなど簡単に校正することはできますか?

 

たくさんの論文の確認は大変ですね。

提出前にチェックするにはITの力を借りるとよいでしょう。

Microsoft Wordをお使いであれば、オプションの中にある「文章校正」機能を強化しておくと

助詞「の」の連続や漢字表記、プリンターとプリンタというような表記の揺らぎなどを波線で示してくれます。

組織のパソコン全体で設定しておくと、社外に発信する文書の品質の統一にも役立ちます。

設定しておけば、入力時にも有効ですし、すでに作成していある文書を開いても該当箇所に波線が付きます。

波線の箇所を右クリックすると、理由と修正候補が表示されます。

表記の揺らぎがたくさんあるときは、「校閲」タブの「表記のゆれチェック」を実施するとよいでしょう。

 

文章校正を強化する設定(コメントで説明しています。音声はありません)

 


若手リーダーのお悩み

「打合わせ」は間違い?

 

送り仮名についての質問です。私が顧客に出したメールに「打合せ」と3文字で書いていたところ、上司から「打ち合わせ」にするように注意されました。「打合せ」は間違いなのでしょうか。送り仮名にもルールはありますか? 

 

「打合せ」「打ち合せ」「打ち合わせ」。同じ「うちあわせ」にも複数の表記があり、どれが正しいのか悩みますね。

仕事でよく登場する「見積書」「見積もり書」、「売上」「売り上げ」も同じです。

ビジネス文書としては、送り仮名は「本則」に沿うのが基本です。

本則とは、1973年の内閣告示「送り仮名の付け方」に示されたものです。送り仮名の基本的な付け方を本則として定めています。

送り仮名の付け方は、活用のある語は活用語尾を送るのが基本となっています。

例として「うちあわせる」の本則は「打ち合わせる」です。「打ち合せる・打合せる」は、「許容」する表記とされています。

「打ち合わせる」の名詞形である「うちあわせ」の本則は、「打ち合わせ」となります。

表記を本則に合わせるには、ソフトウエアの力を借りると便利です。1つの方法は、日本語変換ソフトで本則のみを表示する設定にすることです。今後の入力時に役立ちます。

設定動画は以下をご覧ください。社内で設定しておくと、文章のばらつきを減らすことに役立ちます。

 

本則だけを表示する方法コメントで説明しています。音声はありません。)


若手リーダーのお悩み

高飛車だと怒られた

 

お客様にしてもらいたいことを、「~してください」と10項目ほどメールでお願いしました。

ところが、お客様から「高飛車で感じが悪い」とお叱りを受けました。

丁寧に「~してください」と書いたのに何がいけなかったのでしょう。

 

相手と直接会ってコミュニケーションをする面談(対面)だと、相手の表情で、相手が喜んでいるとか疲れているというような文字以外の情報がわかります。

ジェスチャーなどのボディランゲージだけでなく、声の抑揚が高く、気分がよさそうだとか、今日はいつもより話し方が早く急いでいるなど、文字以外の多くの情報を受け取ることができます。

ところが、文字コミュニケーションであるメールは、無機質な文字しかありません。

対面のコミュニケーションとは違い、冷たく感じたり、怒っているように感じたりします。

あなたは、こうしてほしいという内容を「~してください」と羅列してお願いしたつもりが、

お客様にとっては、命令調のように受け取れたのかもしれません。

「クッション言葉」+「依頼形」で書くとよいでしょう。

信頼関係がないかぎり、このような内容は、会って伝えるのが基本です。

少なくとも、お願い事項をメールで発信するという了解だけでも面談(対面)で得ておきましょう。

メールは、自由度が高いコミュニケーションのツールです。

発信者はいつでも送ることができ、受信者は読みたい時に読むことができるので、気軽に情報発信したのかもしれません。

しかし、メールは「重たい」テーマには向いていないのです。

 仕事を円滑に進めるために発信するのがメールです。

メールで大切なのは円滑に情報を伝えることです。


若手リーダーのお悩み

いまさら聞けません!

 

ヘルプデスクでお客様とやり取りするようになって半年、30代前半の男性です。

顧客向けのメールでは、お客様に失礼にならないように気を配っています。

しかし、敬語について、悩むことがよくあります。

この表現であっているのか自分では自信がなく、わらかないときは、その都度ネットで検索しているのですが、結構な時間がかかります。

 

また、ネット上にはいろいろな意見があり、どれが本当なのか、正しい使い方なのかわからないことがあります。

入社してから時間もたっているので、いまさら同僚にも恥ずかしくて、聞けません。

先日も、「行く」についてネットで調べたら、「行かれる」と「いらっしゃる」がありました。

「行かれる」は使わないほうがいいと聞いたことがあります。しかしどうしてか理由がわかりません。

理由がわかれば、自信を持って部下や後輩にも話ができるようになるのではと考えています。

 

 

動詞の敬語の作り方には、「行く」を「いらっしゃる」のように特定の語形(特定形)にする場合と、動詞に 「お(ご)~になる 」を付けて、いろいろな語に適用できる一般的な語形(一般形)とが場合とがあります。例えば、「読む」を「お読みになる」というように使います。言い方はいろいろありますが、文化庁では「特定形」と「一般形」と表現しています。

 

さて、お問い合わせの「行く」という動詞について、

「行く」に「られる」を付けると、「行かれる」になり、行くことができるのか、できないのかというと可能動詞になります。

「食べる」も同じで、「食べられる」とすると、「食べることができるのか、食べることができないのか」という可能動詞になります。

そこで、「行く」は「いらっしゃる」、「食べる」は召し上がるという、まったく別の表現にする特定の語形にします。

敬語については、文化庁から情報発信しています。「敬語おもしろ相談室」「敬語の指針」などをよりどころにするとよいでしょう。


新人のお悩み

メールではどうすれば?

 

入社して半年です。メールの書式についてどうすればよいか悩んでいます。

メールでは「記」は中央揃え、「以上」は右揃えにするべきでしょうか?

 

メールで「記」や「以上」を使う場合、ビジネス文書のように中央や右端に配置しなくてよいです。左揃えのまま記入してかまいません。

理由は、受信者のメールソフトの設定で、どこで改行するかわからないからです。

メリハリをつけて読みやすくするために、2~3文字空白を入力して字下げをしてもよいでしょう。

なお、メールの文末が「以上」だけだと、高圧的だとか、失礼だと思われるかもしれません。

「以上 どうぞよろしくお願いします」というふうに依頼文にしておくとよいでしょう。


新米リーダーのお悩み

「記」なんて使ったことがない

 

私は20台半ばで、ネットワークインフラの管理の仕事をしています。

先日、サーバーのメンテナンスについてメールをしたところ

「記」がないから「以下」を使うべきだと指摘がありました。

「記」なんて使ったことがありません。

 

「記」を使い、日時や場所など本文に書くとわかりづらいものは、5W2Hを活用して箇条書きにするというのがビジネス文書の書き方です。

「記」を使う場合は、本文中に「以下のように」という文言が必要です。

「記」を使わない場合は、「以下のように」となります。

今は、メールでのやり取りが多いので「記」を使わないのかもしれません。

しかし、社会人としてビジネス文書の書き方は、押さえておきましょう。


新米リーダーのお悩み

どちらが正しいの?

 

送り仮名について悩んでいます。私が顧客に出したメールに「打合せ」と3文字で書いていたところ、上司から「打ち合わせ」にするように注意されました。送り仮名にもルールがあるのでしょうか?

 

「打合せ」「打ち合せ」「打ち合わせ」どれが正しいのか悩みますね。

他にも「見積書」「見積もり書」などがあります。

「行う」「行なう」はどちらでもよいとされているものもあります。

 

送り仮名には「本則」というのがあります。覚えるより、ITの力を借りることをお勧めします。

一つは、日本語変換辞書のプロパティで「本則」のみ表示するという設定、

もう一つは、ワープロの校正機能で送り仮名を「本則」にしておきます。

IMEをお使いであれば、「プロパティ」→詳細設定→「変換」タブ→「詳細設定」とボタンと進むとタブのなかに「本則だけにする」というオプションボタンを有効にしておくとよいです。設定しておくと変換候補一覧には本則のものしか表示されません。

Wordをお使いであれば、オプション→文章校正→設定とすすむと「送り仮名」を「本則」に設定できます。本則でない文言には波線がつきます。

「行う」「行なう」などどちらでもよい場合は、どちらにするか決めておくと良いですね。

 


新米リーダーのお悩み

理系で文章が苦手なのに!

 

入社して数年、上司から新入社員が作成した資料の添削指導をするようにと依頼がありました。

私は理系で文章は苦手です。自分の文章に自信がありません。

 

仕事文章・技術文章は、文芸文章とは違います。

相手に、情報が”早く正確に”伝わることが大切です。

文章作成に、理系・文系は関係ありません。理系だから文章が苦手というのは、思い込みです。

論理的に考えることが多い理系のほうこそ、伝わる文章を作成する力があると思います。

情報を早く正確に伝える文章を書く文章は、自己流ではなく理論を学び実践していけばすぐに身に付くでしょう。

このコラムの下のほうにある「よい文章の最大のポイントとは」から読んでみてください。

問題解決のヒントになると嬉しいです。

 


若手のお悩み

その「が」は、どっちの「が」?

 

同僚から、「あなたの書いた文章は理解するのに疲れる。”が”が多すぎて文章が長い」と言われました。

今まで意識したことがありません。どうすればよいか悩んでいます。

 

助詞の「が」には、1)しかしという逆説の意味 2)文章と文章を繋ぐ糊の役目があります。

どちらの役目かは、文章を最後まで読まないと理解できません。

読み手の理解プロセスに負担をかけてしまいます。

実用文章や技術文章は、単文で書きます。

「が」を使っていたら、そこであえて文章を区切り、「です。ます。」などで言い切りましょう。

そのうえで、必要であれば、”しかし”などの接続詞をつけてみましょう。

リズムもよくなり、読み手がスムーズに読めるようになります。

 


若手のお悩み

「はも」に注意

 

お得意様に「本日はありがとうございます」と申し上げたら、ムカッとした様子で「”本日も"だろう」と言われました。

私は笑顔で感謝したつもりです。

 

一文字で人生が変わることがあります。

よく来て下さるお客様であれば、「本日も」を使うとよいでしょう。

私が利用している電車でも「本日もご利用くださりありがとうございます」と社内アナウンスをしています。

言葉の意味の決定権は、受け取る側にあります。

言葉の受け取りてが意味を誤解しないように情報発信しましょう。


若手のお悩み

カッカカッカしてくるの語尾の「か」

 

上司からコピーを依頼されて、「コピーですか」と復唱したら生意気だと注意されました。私は復唱したつもりです。

 

今回は、話し方についていただいた悩みです。

 

復唱の語尾は「ね」を使います。

語尾に「か」をつけて復唱し、その「か」が語尾上げ話すと疑問のようになり相手に不愉快な思いをさせてしまいます。

あなたは復唱したつもりでも、「か」が語尾上げで強く発音してしまったら、相手は「なんで私がコピーを取らないといけないのか」というように受け取ったのかもしれません。

たとえば、電話で相手が「田中です」と名乗ったときの復唱で「田中様ですか」というと、あなたは本当に田中様なのかという意味になり

失礼な言い方になります。

「これを秋葉原支店で購入したのですが」という顧客に対し、「秋葉原支店ですか」と回答すると、本当に秋葉原支店で購入したのかという疑問形になり、不愉快な思いをさせてしまいます。

日常の仕事だけではなく、電話やヘルプデスクなどでお客様に復唱して確認するときは「ね」をつけて語尾上げにしましょう。

仕事では、カッカカッカしてくるので復唱に「か」は使わないと覚えましょう。

語尾の「か」は「赤にしますか?青にしますか?」というように、質問をするときに使いましょう。

 


若手からの質問です。

結論から話をしているのに・・・

 

上司に結論から報告しているのに、何について話しているのかわからないと言われます 。

今回も口頭で報告するときの悩みです。

 

報告をする前に、クッション言葉と何について報告するかを話しましょう。

上司や先輩は、仕事をしています。

突然、結果から話をしても、話を聞く心構えができていないでしょう。

「お仕事中恐縮です」「ただいまお時間よろしいでしょうか」などのクッション言葉には、

聴き手が人の話を聞く心の準備ができる、という効果があります。

また、何について報告するのかを述べなければ、どの案件の報告かわかりません。

 

クッション言葉 + 何について報告するのか + 結論から の順で話をしましょう。


 若手のお悩み

私はどうしたらよいのでしょうか?

 

今回は、若手の方からの相談。

「文章の訂正について、A先輩とB先輩の修正内容の指示が異なるのです。私はどうしたらよいでしょうか?」

いつもは、どのようにしているのか聞いてみると、

「その時の力関係をよく観察して、力のある方に訂正している」ということだ。

部下や後輩に、リーダーの力関係を観察させるのは、本来の仕事ではない。

そのような気遣いをさせてはならない。

納品する文書は、品質の統一が必要だ。

訂正する箇所とその理由、訂正方針は統一しておく。

そのためには、リーダーが同じスキルを持つとよい。

自分の感覚や好みで修正してはならない。

A4一枚、査読5分で訂正箇所が指摘できるように力を付けておこう。

 


あなたならどうする

一度にどのくらい指摘すればよいの?

 

修正箇所が複数ある場合、すべてを一度に指摘すると、意欲を削ぐことになるのではないかを心配だ。

指摘をしなければ、「これが正しい」と解釈してしまう可能性もあると感じている。

 

添削は、1回では終わらない場合がほとんどであると情報共有しよう。

作成してくれたことに、まず「ありがとう」と感謝の意を述べる。

その次に、修正点を指摘する。

そのときには、なぜ修正するのか「理由」を必ず述べる。

理由がわかれば相手は理解するだろう。

修正してきたら、また、感謝の意を述べる。

面倒だと思うかもしれないが、

「感謝」は自分のネガティブ感情を消す消しゴムだと言われている。

脳科学で証明されているそうだ。

リーダー自身にとってもよいことである。

「ありがとう」と感謝の言葉は、部下や後輩にとっては、

「認めてくれている」という感情に繋がり、モチベーションやエンゲージメントに

を高める。

モチベーションはエンゲージメントが高くなれば、今後、失敗しないようにしようと

いう気持ちになる。

「ありがとう」⇒指摘点+理由の順で伝えてみてはどうだろう?

また、提出前にセルフチェックをさせよう。

セルフチェックの一覧を作成して、チェックしてから提出してもらうようにする。

仕事の仕方も伝えよう。

時間の8割で仕事をし、残りの2割はチェックの時間である。 


あなたならどうする?

完璧なをください

 

部下に「1回で作業が終わる”完璧な赤”をください」と逆切れされた

文章の査読・校正は一度では終わらない。

約6000件の文章添削の中で、ほとんどといっていいほど”文章が長い”。

一つの文章の中に、いくつもの文を含んでいる。

文章が長くなると、文の”ねじれ”を起こす確率が高くなる。

さらに、多義文を含んでいたりする。

そのうえ、専門用語があり、もう何がなにやら、こんがらがった毛糸のようになっている。

文章の勉強をしていない人が自己流で書くので、複数の問題を含んでいるのだ。

このような文章を、リーダーは一生懸命に理解しようと頑張って読み込む。

ときには、数行の文章を理解しようとするのに30分もかかってしまうこともある。

査読・添削をするときは、こんがらがった毛糸をほぐすところからはじめる。

1つの文章には1つの事を書くように、短くする。

最初に行うのは、「。」の位置の確認だ。

まず、文章を短くしてもらうことである。

長い文章は読まないのである。

短くしてから、査読・添削が始まる。

そして、添削は複数回かかるものであると周知しておくのが大切である。

 

 


 あなたならどうする

すべてを指示しないと修正できない部下

 

具体的に全てを指示しないと修正してくれない部下がいる。

具体的に全て指示すると時間がかかる。

しかし、指摘しなかったら何度も手戻りが発生するという悪循環に陥ってしまう。

仕事を依頼するのがおっくうになり、人間関係も悪くなってしまう。

 

 

仕事の仕方の問題だと考える。中間報告をするように指示しよう。

中間報告は、仕事の真ん中でするのではなく、仕事をしている間中ということだ。

具体的には、仕事に着手した最初の部分で報告をさせよう。

おそらく、要点を指摘するだけで改善してくれる部下や後輩は、

能動的に仕事の最初の部分で報告=相談をしてくれていると思われる。

その方々は、期日=納品となっているが、後者の方は期日から手戻りが発生しているのでは?

後者の人は、細かすぎるほどの手順書などを作成しておくとよい。

今は面倒だと思うかもしれないが、

新しい人がきたとき、外国人が担当するときなど、よい作業手順書になる。

セルフチェック表を作成し、新しい問題が出てきたら、追加していくとよい。

部内の財産になっていく。

 


あなたならどうする?

指示書に書いていない

 

後輩に作業結果について話をしていたところ「指示書に書いていない」と逆切れされた。

腹がたって気持ちが収まらないという。

Excelにアンケートのコメントを入力してもらう作業である。

データは約300件ほどあった。

先輩は、入力したファイルを、お客様はA4サイズ縦置きで印刷をする、その後分析を行うという、と作業後のことまで伝えたつもりだった。

しかし、出来上がった表をみて愕然とした。

想定していた表ではなかったのである。

そのうえ「読めない文字がありました」とだけ。

「読めない文字があるセルは、色を付けるとか、何かわかるようにしてほしい」といったところ、

「指示書に書いていない」と逆に攻撃をされてしまったのである。

他人と過去は変えられない。変えられるのは自分と将来である。

気持ちを落ち着けて指示書を確認してみると、確かに読めない文字についての指示は書いてなかった。

指示書や手順書は、細かすぎるほど書いてもよい。

一人ブレーンストーミングで、項目に抜けやモレがないか確認してみよう。

ただし、不明な点があれば、そのときに確認するというコミュニケーションができるように、仕事の仕方を伝授しておこう。

 


あなたならどうする?

何度言ってもなおらない

 

何度も同じような個所を間違える。何度言っても治らない。こちらが疲れてしまう。いったいどのように直しているのかこっそり見にいった。

そうしたらワープロの置換機能を利用して該当するところのみ修正していた。」

 

驚いてしまい、どうすればよいかわからないそうだ。

確かに、置換機能を使えば、早く修正できる。

しかし、その前になぜそこをそのように修正するのか、背景となる理由を説明して理解してもらっていか。

仕様書で、なぜその助詞は「へ」ではなく「に」を使うのかというような背景となる理論を説明し、

理解してもらうことが大切だ。

理由がわかれば、同じ間違いをすることは少なくなるだろう。

そして、提出前にセルフチェックしてから提出してもらうとよい。

セルフチェック表を用意しておこう。

 

 


あなたならどうする?

めんどくさい

 

「話では通じるじゃないですか。普段のメールから気を付けるのですか?めんどくさい。」という人がいる。

ビジネスには、「話し言葉」と「書き言葉」がある。

御社・貴社、当社・弊社というような話し言葉と書き言葉を使い分ける。

また、ご査収というような、書き言葉独特の言い回しもある。

そして、文章は記録として残るのである。

確かに、話は通じる。しかし、記録として残るという点に注意を払わなくてはならない。

例えば、メールも記録として残る。

昔は、手書きであったのが、ファックスになり、メールになった。

メールは、個人で作成するが、ひとたび外部に出れば、会社を代表している手紙である。

会社を代表する文字コミュニケーションであり、記録として残る。

感じの良いメールは、相手にこの人なら大丈夫という安心感を与える。

その安心感が積み重なり、信用が信頼に変わる。

ビジネスの根底には信頼がある。

文字コミュニケーションは、信頼を作る一つの手段であることを忘れないでほしい。

 


あなたならどうする?

短文の意味を勘違いする

 

部下に「文章は簡潔に短い文で」と指示したら、必要な情報も削除してしまっていた

丁寧にお詫びをしなくてはならないのに、短文がよいと思いそっけない短いメールですませてしまい、

相手をますます怒らせてしまった。そこで、メールでのわび状の書き方という研修をしたい。

「短い文章で」というのを、全体の文章量と混乱している。どう指導すればよいかという相談もある。

短文というのは、文章全体の文字量のことではない。

短文というのは、一つの文章の文字量のことである。

全体の文章量が増えても、必要な情報は伝えなくてはならない。

「ので」や「が」を使っている長い文章は、「ので」や「が」のところで切り、あえて言い切る。

そして、必要であれば、接続詞をつける。

接続詞がなくても意味が伝わるのであれば、つけない。

 


あなたならどうする

SNSのツールだから今のままでよい?

 

社内のコミュニケーションツールとしてSNSのツールの導入を検討している。

「SNSのツールだから、いままでどおりの”自分のやり方”でよいか」

 

文章が短かければ、効率化できてよいのではという人もいる。

はたしてそうであるか?

「人は言葉で鞭うたれる」という。

メリハリがないので「読みづらい」というところを「見にくい」と表現したら、

自分を「醜い」と言われた、というクレームがあった。

コミュニケーションはキャッチボールといわれるのに、自己流で相手が痛い思いをするデッドボールを投げてしまった。

文章が短いから大丈夫ではない。

みんなで仕事をするとき、例えば、ファイルを保存する場所なやファイルの命名規則などルールを決めているはずだ。

文字コミュニケーションにもフレームワークを活用しよう。

短い文字コミュニケーションであったとしても、目的とルールを決めて行うべきだ。

ただの事務連絡であればよいが、そこに感情が入ると文章が短い分、炎上する。

 


あなたならどうする?

技術を文章だけで完璧に表現したい

 

結果からいうと、できない。

なぜなら、日本語があっていても、技術が間違っている場合があるからだ。

例えば、データベースにおいて、「商品マスターテーブルから、商品番号が1000以上、または、2000以下の商品を削除する」

という文章があったとする。

文章としては問題はないが、この条件を実行すると、商品マスターテーブルのデータは、すべてなくなってしまう。

技術が高くなると、弘法も筆の誤りが増えてくる。

書き手の頭の中では分かっているからだ。

文章だけでなく、必ず図・表などを追加して、間違いがおきないようにしよう。

 


あなたならどうする?

フォーマットがあるから大丈夫

 

報告書?議事録?フォーマットがあるから大丈夫。

実は、書式が決まっているだけに、書いてある文章の比較がしやすいのだ。

たとえば、同じお弁当箱でも、キャラ弁のようにかわいいお弁当もあれば、全体が茶色(醤油味)のお弁当もある。

ワクが決まっているから、中身が比較しやすいことに気づこう。


あなたならどうする?

”御社、貴社”も区別できないようなレベルの人には適当でよいのでは?

 

最近は、カジュアルでチャットのような文字コミュニケーションツールがある。

しかし、メールはまだまだ文字コミュニケーションのツールとして重要だ。

相手の方は、文章の勉強をしたことがなく自己流なのかもしれない。

メールに限らず、文書というのは記録として残る。

わかりやすく情報が早く正しく伝わるメールは、信頼関係を築く要素の一つである。

さらに、品格があれば、会社だけではなく、そのメールを書くあなたの評価も高くなるはずだ。


あなたならどうする?

助詞なんて気にしたことがない

  

会社で納品物の文章の品質を統一するために、部下の文章の指導をしていたら、「助詞なんて今まで気にしたことがありませんから」と嫌味っぽく言われた。今後、顧客とのやりとりも増えていくので、一文字を大切にしてもらいたいのですが、いっこうに注意を払ってくれない。

  

助詞一文字でも多義文になる。文章を短くするだけではなく、助詞にも気を付けなくてはならない。

例えば、助詞の「の」の例だ。「田中さんの本を借りる」という文は短い文章だ。

しかし、助詞の「の」は複雑な役割をするので、田中さんが持っている本を借りる、田中さんのために本を借りるなど複数の意味になる。

今までは気にしたことがなくても、将来、先輩社員となり若手を指導するためにも、力をつけてほしいものだ。

文章の役割、品質の統一など、改めて話しをしててみれば、意識が変わるのではないか。 


あなたならどうする

メールのタイトルがいつも同じ「ご確認ください」の部下

 

チームで仕事をするときには、ロジカルシンキングのフレームワークを活用し、ルールを決めておくとコミュニケーションがスムーズになり、仕事の効率がアップする。

 

1)ファイルの命名規則を決めておこう

作成途中で添削してもらいたいファイルであれば、「ドラフト」「日付」を記載する。

例えば、「〇〇の報告書_ドラフト_20191022」「〇〇の報告書_完成_20191023」というようにする。

そうすれば、複数回に分けて添削する場合も、校正してもらいたいのか、校正結果の修正が完了したのかが区別できる。

2)メールのタイトルの命名規則を決めておこう

メールの件名には、「〇〇ファイルの添削のお願い」「〇〇の報告書完成ファイル送付」というような文言をつけるとよい。

 3)メールの本文に文言を追加しよう

「20191022のファイルを修正しました。確認をお願いします」「修正が完了しました」

というように記載してもらおう。

 


あなたならどうする?

づいていなかった!重複表現!

 

いつも練習をしてから臨んでいたプレゼンテーション。ある日、メモをWordに送信してみたら、「まず最初に」「まだ未完成」「一番最後」など、重ね言葉を使っていた。気づいていなかった。

PowerPointでも、「文章校正とスペルチェック」はありますが、Wordほどの校正の機能はない。

作成した文章は、Wordに送信して確認してみるのも良い。

そして、「まず最初にと言わない」などと書いた付箋をプレゼンテーションの資料にメモとして貼っておくことをお勧めする。

意識すれば、無意識の口癖もなおるものである、

 


よい文章の最大のポイントとは?

 

ビジネスにおけるよい文章とは、情報が早く正しく相手に伝わる文章である。

そのために、気を付けるのは「一文一意」つまり、一つの意味にしかとれない文章にするということだ。

文芸文章は、読み手の経験やスキルにより楽しませる。

しかし、ビジネス文書は、あなたの発信した情報を、読み手が早く正しく同じ意味に解釈しなければならない。

箇条書きの羅列でも、情報が早く正しく相手に伝われば、よい文章といえる。

 

自分を整えてから書こう

 

思ったことは入力できているが、よく考えないで文章を作成している人がいる。

イラっとしてそのままメールを作成すると、イラっとした感情が読み取れるメールになってしまう。

ハラスメントは話すだけではない。メールの言葉がきつい、というのもハラスメントになる。

イラっとしてつい強い口調で言ってしまった本人は”ほんの一瞬”であるが、言われた人はモチベーションが下がり

相手を避けるようになり、ネガティブ感情は1年以上残っているという人が2割もいる、という調査結果がある。

(アンガーマネジメント協会の調査)

ましてや、メールは記録として残る。

文章とは何かという問いには必ず「記録として残す」という回答がある。

しかし、頭ではわかっていても、現場で自分の感情に振り回され、

相手が後から読んで嫌な気持ちになるメールを発信する人がいる。

文章を書く前に、自分を整えてから書くようしよう。

 

自分だけの世界から飛び出そう

 

文章は、味覚のようなものである。

自分がちょうどよいと思っても、ある人は塩辛い、ある人は塩が足りないという。

なぜなら、みんな自分が普通だと思っているからだ。自分の”感覚”でよかれと思って書いている。

コミュニケーションの大前提は、発信者≠受信者である。

味噌汁の味見をしてもらうように、自分だけの世界から飛び出し、他人の意見を聞いてみよう

 

文章のレシピを作る

 

塩少々、塩一つまみ、適量、適宜という表現に悩んだ人がいるのではないだろうか?

塩少々は、人差し指と親指でつまんだ程度の量であるが、指が太い人、細い人でそのグラム数は異なってくる。

塩 0.3グラムと書いた方が、同じ味になるはずである。

つまり、文章のレシピを作るのだ。

メールをはじめとする会社で使う文章は、規約を作っておこう。

プログラムを作るときに、コーディング規約というのを決め、それに従って作成する。

日本語も同じ言語である。

日本語の規約=レシピを作れば、だれでも同じように文章が書けるはずだ。

 

一文字で人生が変わることもある

 

「夕ご飯、何が食べたい?」と家族やパートナーから聞かれたことは、誰にでも経験があると思われる。

「カレー”で”いいよ」と言われたら、レトルトをチンすればいいかと思ってしまう。

しかし「カレー”が”いいよ」と言われれば、やる気が出てくる。

スーパーにいってお肉を買ってきて腕によりをかけて、と思うのである。

たった一文字で受け取りてのやる気が違ってくる。

職場でけではなく、日常でも一文字に気を付けよう。

プロポーズの言葉も一文字で大違い。

「あなた”で”いいよ。一生一緒にいよう」かなり妥協している感じがする。

「あなた”が”いい!一生一緒にいてほしい」

一文字で人生が変わることもある。

一文字を大切にしよう。

 

「と」は曲者である

 

「パソコンとプロジェクタを繋ぐケーブルを持ってきてください」というメールがきた。

受信した人は悩んでしまった。

なぜなら、この文章は、意味が複数にとれる多義文であるからだ。

・パソコンの他に、プロジェクタに接続するためのケーブルの2種類を持っていく

・パソコンとプロジェクタの間をつなぐケーブルのみである

結局はケーブルのみでよかった。

「と」は文脈により「And(かつ)」、「Or(または)」になる。

例えば、データベースで「東京と大阪に住んでいる人を抽出してください」といわれたら

「東京または大阪に住んでいる人」という意味になる。

「と」を使うときは、気を付けよう。

 

 一つの文章の構成を知る

 

一つの文章の構成は3つある。

単文・重文・複文である。

単文とは、「鳥がさえずる」というように、主部と述部が一つである文章だ。

重文は、「鳥はさえずり、犬は吠える」というように、一つの文章の中に、主部と述部からなる文章が複数ある。

複文は、入れ子になっている文章だ。「私はボブは帰国したと思った」というようにネストになっている。

ビジネスにおける文章は、できるだけ単文を心がける。

特に仕様書などの設計書・指示書などは、単文で書くとよい。

 

一文一意の文章にする方法

 

一文一意の文章にするには、まず単文・短文で書くことだ。

短い文章で、主部と述部で構成する文章にするように心がける。

主部とは何について話すのかの提示の部分で

述部は主部を受ける部分である。

しかし、短い文章だからといって安心してはいけない。

助詞の使い方ひとつでいくつかの意味にとれる多義文になってしまう。

助詞の使い方は大切である。

 

簡潔な文章を作る方法

 

「文章は簡潔に書く」というのは誰でも知っている。

「ちゃんと簡潔な文章を書いてね。しっかりね。」

しかし、なかなかできないのは「抽象度が高い」からである。

「ちゃんと」も「簡潔」も「しっかり」も、人により異なる。

「せーの」で簡潔な文字数を隣の人に言ってみようという演習を行ったら、

20文字の人もいれば、100文字の人もいた。バラバラである。

一般的に、簡潔な文章の文字数は50文字が目安といわれている。

文字数をかぞえなくても、わかる方法がある。

息を吸ってその一息で話せる程度である。

簡潔かどうかは、黙読ではなく声に出して読んでみよう。

簡潔な話も同様である。

途中で息継ぎをしなくてはならないのは、話が長いということだ。

 

読み手に早く理解してもらえる方法

 

パソコンワープロで変換すると「頂く」「致す」など、漢字に変換される。

しかし、ビジネス表記では、文末の「いただく」「いたす」はひらがなで書く。

「あいにく」「または」などの接続詞もひらがなで書く。

理由は、接続詞や文章の最後をひらがな表記にすることで、本当にいいたい本文が目立つからだ。

この二つを守るだけで、読み手の理解プロセスが楽になる。

つまり、あなたの言いたいことが早く読み手に伝わるのだ。

ビジネス表記を手っ取り早く知りたい場合は、日商PC検定(文書作成編)の参考書が役に立つ。

なお、公用文、ビジネス文書など文書の種類により表記は異なることを知っておこう。

文章の第一印象をよくする方法

 

人間と同じように、文章にも第一印象がある。

例えば、漢字の量だ。

何でも漢字でかけば、”できる人”に見えると勘違いしている人がいる。

ビジネス文書における漢字の割合は3割である。

漢字の量が多いと、紙面が黒くなり、難しそうというイメージになる。

漢字は常用漢字を使おう。

 

感じのよい文章を書く方法

 

「よろしくご査収のほどお願いします」

「ご査収のほどよろしくお願いします」

どちらが礼儀正しいか?

「よろしく」が前にあると「おっす、今日もよろしくなぁ」というカジュアルな表現になる。

よって、後者のほうが礼儀正しい文章といえる。

感じのよいメールかどうかは紙一重である。

礼儀正しくかつ親しみやすい文章を目指そうではないか。

語順を変えるだけで礼儀正しい文章になる。

 

品格のある文章を書く方法

 

書き言葉にかぎらず、言葉遣いでその人の品格がわかる。

仕事では「やる」という言葉を使わないように、と新人に指導している会社がある。

特に、社外の人に対しては絶対に使わないようにということだ。

なぜか?

「する」の謙譲語は「いたす」、尊敬語は「なさる」である。

「やる」というのは、「する」の乱暴な言葉である。

「おやりになる」という人がいる。

乱暴な言葉に「お」をつけても敬語にはならない。

言葉には「意味範囲」というのがある。Semantic Domainという。

その言葉がどういう意味を持つのかとうことだ。

「やる」というのは子孫繁栄の行為が含まれるということだ。

ビジネスでは格が低くなる。

敬語は、職場の潤滑油、相手を敬うというほかに、正しく使う人の品格を保つという役割がある。

話すだけではなく書き言葉にも気をつけたい。

 

外部からの印象管理をしよう

 

メールで自社の名乗りの表現がバラバラの企業がある。

担当者により名乗り方が違うのである。

「ABCねっと」「エイビーシーネット」「ABCnet」どれが正しいのか受信した人は悩んでしまう。

「打合せ」「打ち合わせ」などの、揺らぎも同様である。

朝、電話を受けた時に「おはようございます」と挨拶をしてから社名を名乗る企業がある。

これは、外部からみた自社のイメージをよくするためである。

個人で作成するメールでも、いったん外部に発信すれば企業を代表する文書になる。

メールの署名は印鑑の代わりで、有責の意味である。

それゆえに、署名の書き方も統一している会社もあるぐらいだ。

文章も、外部からの見たときの印象管理をしよう。

 

礼儀正しい文章は硬い文章とは違う

 

生憎、その日は私的な理由の為、欠席させて頂きます。

あいにく、その日は個人的なスケジュールが入っているので、欠席いたします。

 

さて、あなたはどちらの文章が礼儀正しくかつ親しみやすいと思いますか?

 

 


 文章はコミュニケーションの手段の一つである。

書き手の考えや伝えたいことを、わかりやすい文章で読み手に発信し、

早く正確に伝える技術は、すべての社会人にとって必須の技術だ。

 

伝わらない文章はコミュニケーションエラーを起こしている。

コミュニケーショエラーは、伝達する情報だけではなく、人間関係にまで影響する。

例えば、大規模なソフトウエア開発の現場では、製造と検証の会社が別であることがある。

その場合は、文書がコミュニケーションの手段である。

プログラマーは、不具合の再現手順が再現しやすくわかりやすい不具合報告書は、早く修正しようという気持ちになる。

この人の文章はわかりやすいので、早く対応しようと思うのだ。それに対し、わかりずらい人のは後回しにしたいのだが、

優先度が高く、気分がのらないけど仕事だから修正する、というケースもあるのだ。

顔を合わせなくても、文章で信頼関係を築くことができる。

文章は、相手との情報交換の密度を高め、信頼関係を構築する手段の一つである。

 

技術文章を支えるものとは?

昔は文章を書くのが苦手な人のために、「恋文の代筆屋」というのが流行ったことがあった。

しかし、最近ではSNSなどが流行り、文章を書くことに抵抗がなくなった人が多い。

だが、ビジネスの現場で通用する文章を書けているかというと、まだまだ自己流である。

なぜなら、ビジネスにおける文章というものを勉強していないからである。

新人研修でも文章の作り方に時間をかけていない場合が多い。

 

ビジネス文書は、表記技能、表現技能が必要である

表記技能はビジネス文書の書式や用語の正しい使い方であり、表現技能は、相手が読みやすく正確な文書作成能力である。

ところが、この基礎的な技能が自己流でバラバラであることが多い。

そのため、入社2年めの論文作成の指導をしているリーダーは、個別対応をして「てにをは」の指導で疲弊している人もいる。

鉄は熱いうちに打てというが、入社時の早い時期から文章作成技能を身に着けておく必要がある。

 

技術文章を支えるのはビジネス文章である。

 


助詞について知ろう

(  )の助詞はどれを使う? その理由は?

 

印刷の部数設定は、印刷ダイアログボックス(   )設定します。

1)より 2)から 3)で 4)にて

 

 


プレゼンテーションの資料作成方法

PowerPointを利用した複数人の前でプレゼンテーションをするという前提です。組織内の資料作成など、別の書き方があります。

こんなときどうする?1時間以内にプレゼンテーションの資料を作成しなくてはならない

 

あと1時間でプレゼンテーションの資料を作成しなくてはならないとしたら、あなたはどうするだろう

時間がないときほど、型に合わせてみる。

話しの流れを”ストーリー”という。

ストーリーを作成するのに便利な機能が、WordやPowerPointに備わっている。

「アウトライン」という機能である。

アウトラインには、レベルという概念がある。

小節項のようなものである。

レベルを下げるには、キーボードのTabキーを、レベルを上げるにはキーボードのShift + Tabキーを押す。

Enterキーを押すと同じレベルのものができる。

Enterキーを押して同じレベルでよいか、レベルを下げるか上げるかの操作をする。

なお、この方法はスマートアートでも同じである。

タイトルとキーワードが作成できたら、詳細の説明は人間が行う。

アウトラインを利用すると、情報の抜けモレ、ダブリがないかなど一目瞭然である。

論理的な資料が早く作成できること間違いなし。

 

 

ストーリーの三部構成とは

 

プレゼンテーションは3部構成にする。

1.オープニング(はじめに)

2.ボディ(本論)

3.クロージング(おわりに)

言い方はいろいろあるが、大きく3部構成にする。

オープニングでは、挨拶や感謝・自己紹介などを述べる。

クロージングは、まとめ・感謝などを述べる。

ボディはSDS法やPREP法などの型に合わせてみる。

そして、プレゼンテーションは「感謝に始まり感謝に終わる」という。

 

プレゼンテーションのボディには型がある

 

プレゼンテーションのボディ(本論)には、「型」がある。

SDS法、PREP法などだ。

Summary Detail Summaryの頭文字をとってSDS法という。

PREP法は、Point Reason Example Pointの略だ。

どちらがよいというのではなく、目的により使い分ける。

例えば、今期の決算の説明であれば、SDS法だ。

S:今期は黒字でした

D:昨年発売した新製品の売れ行きが予定以上に伸びました。

S:今期は売上が好調で黒字でした。

プレゼンテーションを実施したあとに、意思決定をしてもらいたい場合には

PREP法が適している。

P:このアプリの導入をお勧めします。

R:なぜならば、必要なツールがひとまとめになっています。

E:例えば、導入企業は300社以上です。

P:この問題を解決するために、このアプリの導入をお勧めします。

「守破離」という言葉がある。

自分で最初からプレゼンテーション資料を作成しなくてはならない場合は

まず、既存の型に合わせてみよう。

そして、どちらにも共通しているのは、大切なことを「2回」いうということだ。

 

箇条書きの行数は何行が読みやすいか

 

プレゼンテーションの資料は、「見せる」もの。

読ませるものではない。

ぱっとみてわかりやすいのは、3行~5行である。

上中下、松竹梅、なぜか三つがわかりやすい。

7行以上になると、PowerPointでは、自動調整オプションというボタンが出てくる。

クリックすると、「テキストを2つのスライドに分割する」「二段組にする」などと選択肢が出てくる。

人間は、単純なもののほうが理解しやすい。

 

1行の文字数はどのくらいがよいか

 

プレゼンテーションは、「見せる」もの。

読ませるものではない。

長々と文章が書いてあると、読むほうに注力してしまい、プレゼンターの話を聞いていないものだ。

3秒原則というのがある。3秒で内容がわかる、というものだ。

人が1秒で理解できるのは4文字ぐらいといわれている。

3秒だと12文字ぐらいである。映画の字幕も12文字から最長28文字ぐらいといわれている。

認知心理学では、一目で理解できる限界が13文字と言われている。

特にタイトルやキーワードは特に文字数にこだわろう。

PowerPointでも箇条書きは、18文字程度で1行におさめてみよう。